この犬のような生き物は
「リカオン」
と言い、アフリカのサバンナに生息する食肉目イヌ科の動物である。
リカオンは「凄腕のハンター」として知られており、その狩りの成功率は70~80%と言われている。
この確率はライオンの狩りの成功率が20%、ヒョウが30%、チーターが50~60%ほどであることを考えてもリカオンの狩猟能力が非常に高いことが分かる。
しかし、現在リカオンは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Red List)で
「絶滅危惧種」に指定されており、
2020年時点の個体数は成獣で約6600匹と推定されている。
かつてリカオンはアフリカの砂漠から山岳地帯の生息地に至るまで大陸全域で見られたが、現在ではそれらの地域のほとんどから姿を消している。
現在は北アフリカと西アフリカの大半では既に絶滅し、残っている中央アフリカと北東アフリカでも生息数を毎年大幅に減らしている。
その理由は
①ブッシュミート(野生動物から得る食肉)目的の密猟
②人間による自然破壊や活動領域の増加で生息域や獲物の減少
③家畜を襲うため人間に害獣としても駆除される
④人が飼っている犬からの伝染病
などによって個体数を減らしている。
特に、生息域の減少は同じサバンナに生息しているライオンやハイエナなど、他の肉食動物との獲物の獲得競争に負け、
さらにはライオンに獲物として認識されることもしばしばある。
いずれにせよ、リカオンが絶滅に追いやられている原因はほとんどが人間の活動の影響によるものである。種の保存としても保護されなければならない。
しかし最近の2023年6月26日に、
東アフリカのウガンダで、約40年前に絶滅したと考えられていた「リカオン」が、
再び北東部のキデポ渓谷国立公園のナルス川周辺で「2匹目撃された」と野生生物庁が発表した。
目撃したのは常駐のレンジャー隊員で、すぐに見失ったという。
保護をしてさらなるリカオンの繁栄を願う。
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